京都シネマで、PERFECT DAYSを観てきました。京都暮らし6年目ですが、こちらで映画を観たのは今回が初めて。スクリーンの前を人が横切って、その影がスクリーンに映るのを見るなんてどれくらいぶりだろう。シネコンとは異なる、良い意味で懐かしい雰囲気にすっかり魅了されてしまいました。2000年代に突入した頃から、僕の中で映画鑑賞はすっかりシネコンでってことになってて、観たい作品が重なったときなんかは、コンセッションで腹ごなしをし、いくつものスクリーンをハシゴして、朝から晩までシネコンで過ごすこともあったけれど、それ以前は小規模の映画館で観ることが当たり前だったなぁ、ミニシアター系、なんて言葉が出てくる前は、映画館ってすべからくミニシアターだったよなぁ、なんてことを思い出したりしました。それはさておき、予告編でいくつか観たい作品ができたので、近々、また京都シネマに来ることになると思います。

初めてのヴィム・ヴェンダース作品

映画「PERFECT DAYS」は、僕にとって初めてのヴィム・ヴェンダース作品。若い頃にメグ・ライアン目当てで観た「シティ・オブ・エンジェル」がヴィム作品のリメイクだっていうことをパンフレットを読んで初めて知ったんですけど、それは厳密にはヴィム監督作品を観たことにはならないですからね。観終わってふと思ったのは、ジム・ジャームッシュ作品にちょっと似てるのかもってこと。で、僕はこういうテイストの映画が好きだということ、MARVEL作品のようなあり得ない世界観を繰り広げる映画も好きだけど、どこかに実際にありそうな世界観を傍観者的に描く映画もたまらなく好きなんだっていうことを改めて気付かされました。

余韻がハンパない

多かれ少なかれ映画の余韻には気が済むまで浸るタチではありますが、今回はいつもにも増してという状況。口まで湯船に浸かってブクブクブクしている、あのシーンのようです。まず、劇中に流れている曲を調べて、Apple Musicでプレイリストを作成してシャッフル再生。青い軽には乗ってないけど、これだけで見慣れたいつも景色がヴィム・ヴェンダース色に染まります。

それだけでは物足りず、雑誌SWITCHのPERFECT DAYS特集号をAmazonでオーダー。映画パンフ買わない派ではあるけれど、次の日、再び京都シネマを訪れて購入。このタイミングで龍馬伝を見始めた影響で、吉田東洋色が色濃く残る田中泯の直筆の文章を読めたので、パンフレット買って良かったです。

そして更に、劇中に登場した本も読みたくなり、再びAmazonで検索。残念ながら取り扱いのないものもあったけど、kindle版で取り扱いがあったのでとりあえずリストに登録。

そしてさらに、ヴィム・ヴェンダース監督の他の作品や、彼が影響を受けたとされる小津安二郎作品、そしてパンフレットの中で引き合いに出された黒澤作品も観たくなりました。とりあえず東京画から始めることにします。

それにしても、Apple Musicで見つけた楽曲や動画配信サービスで見つけた作品、それらは個別に料金を支払うことなく、サービスの利用料のみで楽しむことができるなんて。古本屋で文庫本を買い、Spotifyのことを知らなかった平山さんとは違う世界観。その世界と僕のいる世界は、繋がっているようで繋がっていないんだなぁ。