社会保険にまつわる年収の壁について話されているのをSNSでよく見かけますが、誤解されている方が多いので、改めて、解説させていただこうと思います。
130万の壁
これはいわゆる、扶養の要件についての壁でして、特に今現在、配偶者さんやご家族の扶養に入っておられる方が気にしなければいけない壁、数字になります。話としてはとてもシンプルで、年収が130万を超えると、配偶者さんやご家族の扶養から外れてしまうことになるので、扶養から外れたくなければ、年収130万を超えないように、働き方を調整する必要がある、ということになります。配偶者さんやご家族が入られている健康保険組合によっては、年収130万を月額に換算して要件を設定していることがあるので、この機会に、改めてご確認いただければと思います。
106万の壁→20時間の壁
続いて、106万の壁について。こちらは社会保険の加入の要件についての壁でして、ある一定規模以上の会社さん事業所さんにお勤めのパートさんが年収106万を超えたら、社会保険に加入することになる、概ねそのようにご理解されている方が多いのかな、という印象ですが、実はこれには前提となる要件がございまして、それが週20時間以上働いているかどうか。つまり、週20時間以上働いていないのであれば、年収106万を超えていても、社会保険に加入する必要はない、ということです。もうひとつ誤解の話をさせていただくと、先日、この106万の壁を撤廃すると各メディアで報道され、これからは年収106万未満でも社会保険に入らなければならない、と思っておられる方がSNSを見る限りたくさんいらっしゃるのですが、これは誤解です。これについては、先日アップした、社会保険の加入対象の拡大、という記事で詳しく解説していますので、よろしければご覧いただければと思います。
話を戻しますと、ある一定規模以上の会社さん事業所さんにお勤めの社会保険に入りたくないパートさんにおかれましては、週20時間以上働かないことを意識しつつ、年収130万を超えないような働き方をしていただければと思います。ちなみに、もし週20時間未満をキープしつつ年収130万を超えてしまうと、ご自身で国民健康保険や国民年金に加入することになります。この辺り、制度をきちんとご理解いただいたうえで、ご自身にとって何がベストかお考えいただければと思います。

