新入社員が入社した月に辞めてしまった。できれば避けたい事態ではありますが、現実問題、起こり得る話です。今回は、このような場合における社会保険料の取扱いについて解説させていただきます。

まずは通常どおり給与から控除する

社会保険には日割りという考え方がないので、入社した月の途中で辞めてしまった、つまり、1ヶ月まるまる在籍していなかったとしても、1ヶ月分の社会保険料がかかります。なので、最初で最後の給与から通常どおり社会保険料を控除していただくことになります。ちなみに社会保険料は、前月分を当月の給与から控除するのが原則。例えば、末締め翌月10日払いで1日入社の同月10日退職の場合、翌月10日支給の給与から社会保険料を控除するというわけです。では、15日締めの同月25日払いで、1日入社の同月10日退職だったらどうなるでしょうか。本来なら、翌月25日の給与から社会保険料の控除をすることになりますが、退職するので翌月25日の支払われる給与はありません。なのでこの場合、退職月25日支給の最初で最後の給与から社会保険料を控除するかたちになります。

厚生年金保険料は後から返ってくる

厚生年金は、退職した次の日に資格を喪失しますが、20歳以上60歳未満の方は、その日から他の会社で厚生年金に加入しない限り、国民年金に強制加入することになります。いずれのケースでも、後から加入になった年金の保険料を新たに負担することになり、一旦、退職時に控除された厚生年金保険料と併せて二重に払ったことになるので、後日、年金事務所にてその事実の確認後、事業所宛に退職時に控除した分が還付されるかたちになります。事業所宛に還付されるというのがポイントで、還付され次第、会社負担分を差し引いた額を退職された従業員様に返金する必要がありますので、ご注意くださいませ。