「2022年 映画館で観た映画ベスト10」をやろうかと思ったら、今年は新作旧作合わせて全部で10作品しか観ていませんでした。なので、そのひとつひとつについて、これから観ようと思ってらっしゃる方のためにネタバレは極力ナシ、予告編から推察できる程度に抑えて、振り返っていきたいと思います。
Spider-Man No Way Home
2022年は寅年でしたが、蜘蛛年と言っても過言ではないくらい、年明けはこの話題で持ち切りでしたね。日本最速上映、公開日の日付になってすぐ、深夜0時の上映回で観た僕もまさにそんな感じで、いろんな方に「スパイダーマン、観ました?」なんて話をしていました。兎にも角にも、観賞のタイミングが遅れると、否が応でもネタバレに遭遇してしまいかねないこの時代において、全くネタバレなしで観賞できて本当に良かったです。例のあのシーンが流れたときのシアター内に漂った空気感は、なんとも喩えようのない、独特なものでした。この日、Movix京都に集まった多くのガチのSpider-Man Fanと一緒にこの瞬間を過ごすことができて本当に良かったです。また深夜の最速上映があったら是非行ってみたい。
Doctor Strange in Multiverse of Madness
この作品が公開された5月まで、どっぷりスパイダーマンの世界に浸かったまま、その余韻の中を漂いながらMovix京都へ向かった僕。そしてその約2時間後、おい、サム!一体なんてことをしてくれたんだ、という憤りと3D上映だったからか、観賞中から襲われた頭痛を癒すべく、その足でマッサージへ。施術後、頭痛と一緒に肩こりも解消され、ようやく冷静に今作を振り返ることができましたが、それでも憤りは消えず、さらに一抹の淋しさが加わり、なんともモヤモヤとしたゴールデンウィークになりました。
シン・ウルトラマン
当初、観ようかどうしようか迷っていましたが、ストレンジの余韻を払拭すべく観ることにした今作。タイトルからして「シン・ゴジラ」と比較せざるを得ないわけですが、鑑賞後、単純比較はできないなぁという印象。ま、何を期待して観るか、によって評価が決まるのではないかと思います。
TOP GUN : Maverick
今年の初め、Spider-Man No Way Homeを観た時点では、今年は寅年ではなく蜘蛛年だと思ってましたが、そうではなく、今年は狼年(Maverickとは一匹狼という意味)でした。無粋だと思いますが、僕があえて2022年のベスト1を選ぶなら、やっぱりこの作品になりますね。作品そのものの面白さもさることながら、その世界観が最高、セリフも最高、音楽も最高。ハマりにハマったおかげで、TOP GUN界隈でいろいろお金を使った1年でありました。IMAXやらドルビーシネマやら、映画館に足を運ぶこと3回。Ray-Banのサングラス、劇中、トム・クルーズが着ていた風のアウターと白Tを購入。そしてそれらを少しでもマシに着こなせるように筋トレを開始し、こちらは現在も継続中。勢い余って買おうとした革ジャンはさすがに予算と奥さんの顔色を見て断念。Kawasakiのニンジャはそもそも免許を持っていないので即却下しましたが、いつでもどこでも観れるようにBlu-rayではなくダウンロード版を購入し、スキマ時間を見つけては、お気に入りのシーンをピックアップして観まくっています。あのオープニング、いったい何度見たことか。ちなみに、僕がApple Musicで、今年最も再生した曲は、TOP GUN ANTHEMでした。
Thor Love and Thunder
MCU作品をシンプルに楽しむために必要な映画だったと、僕は認識しています。まぁ、良くも悪くもサーッと、重めのストーリー要素がありつつも、気楽に楽しめた作品でした。内容は、今となってはよく覚えていません。やたら音楽が耳に残った作品だったなぁという印象が強いです。
恋する惑星と天使の涙
ウォン・カーウァイ作品を4Kで観ようというイベント、というか企画上映があり、大学生の頃に観てどハマりした2作品、恋する惑星と天使の涙を鑑賞。2Kじゃなく4Kで観れたらどんなに良かっただろう、と思いつつも、ま、あのときと同じ、少し小さめの、そして今となっては少しレトロな映画館で観れて良かったって思ってます。また香港に行きたいなぁ。
ガリレオ 沈黙のパレード
BROS会員なので観ないわけにはいきません。ネタバレを避けるため、ヒトツボシも聞かず、公開初日に観に行きました。感想としては、ドラマ版と劇場版の良いとこどり、ガリレオremixって感じかな。
Black Panther:Wakanda Forever
こちらもネタバレを極力避け、まぁ、それでも予告編は観ましたが、変な勘繰りはせず、公開日の2日後に観賞。ややご都合主義なところが見受けられましたが、そこに目を瞑れば、きちんとまとめ上げられた作品だと思いました。僕は、ブラックパンサー、シャン・チー、ミズマーベルの作風が好きなので、できたら単体作としてこれからも続いたらいいなぁと思います。
Dr.コトー診療所
2022年、もうひとつのDr.映画、ということで、まさかこのタイミングで映画化されるなんて。予告編を観たとき、鳥肌モノでした。でも、鑑賞直後の感想は、まさにDr. Strangeを観た時と同じで、あー、今年はDr.ナントカと相性の悪い1年だったなぁって思ってたんですが、後日、吉岡秀隆さんのインタビュー記事を読んで考えが一転。まぁ、そういうことなら、でもなぁ、という感想に落ち着きました。
ヒットの理由
若者向けの映画、例えば学園恋愛モノなど、がたくさん公開されているのは、映画館でポップコーンを売るため、なんて話を聞いたことがありますが、今年ヒットしたスパイダーマンとトップガンについては、完全にある一定の年齢以上の大人をターゲットに制作されたと思っています。ではいったいどれぐらいの年齢以上なのか。スパイダーマンであればミニマム30代以上、トップガンであれば40代半ばがドンピシャ、といったところでしょうか。何が言いたいかというと、懐かしさも相まって胸熱倍増ってのを狙っているんじゃないかってことです。スパイダーマンについては、過去20年に渡って公開された、これまでのシリーズのキャラクターが登場することで生まれる懐かしさ。トップガンについては、36年の時を経てリアルに自分と同じだけ年齢を重ねたマーヴェリックが登場することで生まれる高揚感。セリフひとつひとつに自分のこれまでの人生を重ねたりして、思わず胸が熱くなる、なんなら目頭も。Dr.コトーなんて、真正面から僕ら世代の心を鷲掴みにきてますよね。この懐かしいっていう感覚、若者のそれとかつての若者だった僕らのそれは別物だと思います。。そりゃあ若者だって懐かしいって口にすることはあっても、たかだか数年。僕は来年48歳になりますが、これぐらいになると数年なんてあっという間に過ぎていきますからね。スクリーンの中の主人公たちは、腰を痛めたり、若い頃と変わらなかったり、髪が白くなったり、僕らと同じく、いろんな年齢の重ね方をしています。そんな姿に僕は励まされ、勇気付けられ、前向きな気持ちになったりしました。というわけで、2022年の劇場鑑賞作品の個人的振り返りはこんな感じ。来年も素敵な作品にたくさん出会えますように。